トランス脂肪酸は不妊の原因になる?!

■アメリカでは規制の対象

「トランス脂肪酸」をご存知ですか? トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸のうち、炭素に付く水素原子が二重結合を挟んで向かい合って存在する構造を1つ以上持つものをいいます。アメリカ食品医薬局は2013年11月にトランス脂肪酸はの使用を原則禁止すると発表しました。
トランス脂肪酸は、天然に生じるものと、油脂の加工や精製の過程で生じる人工的なものがあります。前者は反芻して食物を消化していく牛や羊の肉、牛乳や乳製品に微量含まれています。この天然のものは、アメリカでも規制の対象にはなっていません。しかし、人工のものはアメリカなどでは国を挙げて規制対象となっています。ところが、日本ではその危険性に対する法的措置は何もとられていないのです。
ではなぜ「トランス脂肪酸は控えた方が良い」といわれるのでしょうか。
それは、心臓疾患やメタボリックシンドロームのリスクを高めてしまうからです。しかも、LDLコレステロールを上げるだけでなく、HDLコレステロールまでも下げてしまうのです。ですから、飽和脂肪酸より、血管を脆くさせる作用がとても強いと言われ、摂取量の規制がかかるのでしょう。他にも、記憶力の低下、皮膚疾患などの確認もされ始めています。

■お菓子やファストフードには多く含まれる

日本人1人当たりのトランス脂肪酸摂取量は、エネルギー換算値で0.3%と、WHOの勧告する1%未満という最大摂取量の基準を下回っていますが「外食が多い」「食事はお菓子で済ませた」「ファストフードをよく利用する」といった偏った食生活をしている方は安心できません。実際に2010年の報告で、同数値が女性では0.8%、男性は0.7%と跳ねあがっています。原因には「お菓子」が挙げられています。
また、授乳中にトランス脂肪酸を摂取し過ぎると母乳中に移行し免疫機能が作動して、アレルギーやアトピー体質になりやすくなります。そして、やはり不妊の原因にもなります。免疫機能に作用するので、精液の質や卵巣機能、子宮内膜にも影響を及ぼすのです。血流も悪くなり、糖尿病なども悪化していきます。
これらを避けるために、トランス脂肪酸を多く含む食品を食べないのが一番です。それは食品を選ぶこと。子どもへの親としての責任は、妊活中の食事から始まっています。

■普段から免疫力をアップしよう

トランス脂肪酸を多く含む食品には、ケーキやパンなどによく使われるショートニングやマーガリン、カレーやシチューのルウ、食物油使用と表示されたお菓子、純植物性生クリーム、お惣菜のフライや冷凍食品などが挙げられます。
このようなトランス脂肪酸が含まれる食材を摂らないためには「食事は手づくりする」が基本でしょう。自分で食材を選び、丁寧に愛情を込めてお料理することです。とはいえ、食品を毎回選んで料理することが難しい場合もあります。そのような時のために日々できることは、免疫作用を強くしておくこと。抗酸化作用のある食品を意識して摂り入れる。強い身体をつくることが大切です。
なお、油を利用する時は、オレイン酸の豊富な「オリーブ油」や「キャノーラ油」、サフラワー油、ひまわり油、とうもろこし油などがおすすめです。しかし油は油なので、摂りすぎればその分、体に及ぼす悪影響に差はありません。また放置すればしただけ酸化するので、新鮮なものを適量使うようにしましょう。

水村 あや

水村 あや
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●管理栄養士
●鍼灸師
●プレママプラス開発者

【略歴】
管理栄養士、鍼灸師。
東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業後、介護老人保健施設、透析クリニック、日本赤十字社、海上自衛隊、保健福祉センターに勤務。
在職中は学会発表を行うほか、オーダーメイド医療に積極的に取り組む。しかし栄養相談を行っていく上で、西洋医学の分野では説明のつきにくい内容に悩むことが増え、東洋医学に注目。一転、鍼灸師を目指す。
呉竹鍼灸柔整専門学校を卒業し、現在に至る。


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